予防歯科
Prevention

一生自分の歯で食べるために
まずはじめにできること
お口の中にはさまざまな菌が住んでいます。そのためセルフケアを頑張っていて、自覚症状がない方でもさまざまなリスクにさらされています。
そこで当院では何もトラブルが起こっていない時から予防のために通っていただくことを診療方針としています。
むし歯や歯周病を防ぎ、歯にとって良い習慣作りをアドバイスすることで、一生自分の歯で噛める生活をキープできるようサポートいたします。
予防歯科が
すべての治療の基本

近年、歯科医療の考え方は大きく変わりつつあります。むし歯や歯周病になってから治療するのではなく、未然に防ぐことを重視する予防歯科の概念が広まってきたのです。
定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアを受けていただければ、歯の寿命を伸ばす確率を高められます。
例えば、むし歯の詰め物や被せ物は交換するたびに、健康な歯を削らなければならず、歯の強度が徐々に低下していくのです。
しかし、予防歯科で早期発見・早期治療を心がければ、歯を失うリスクを大幅に減らせます。専門的なクリーニングとメンテナンスで、むし歯や歯周病を防ぎ、健康な口腔環境を維持できるのです。
一見、予防歯科は手間とコストがかかるように思えるかもしれません。しかし、生涯を通して考えれば、治療時間や医療費を節約できます。歯科医院は「痛くなったから行く」場所から、「痛くならないために通う」場所へと変わりつつあるのです。
予防歯科は、数ヶ月や1年の単位で考えると手間や費用がかかるイメージがありますが、生涯を通して考えると、時間も医療費も有効に使えるとてもスマートなスタイルといえるのではないでしょうか。
予防を怠ると
起こるかもしれないこと
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歯が痛くなる
むし歯や歯周病を放置すると、様々な問題が引き起こされます。代表的なのは、歯の痛みです。進行したむし歯は、麻酔が効きにくく、治療中の激痛に苦しむことになるかもしれません。
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歯を失ってしまう
初期のむし歯は自覚症状がほとんどないため、痛みを感じたときには、ある程度症状が進行しているケースも見られます。そして、重症化してから治療を行っても、歯の寿命は短くなる傾向があります。さらに一つの歯を失うと、周囲の歯のバランスが崩れ、さらなる歯の喪失につながることもあるのです。
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全身の不調につながる
お口の中の問題は、全身の健康にも影響を及ぼします。むし歯や歯周病の細菌が血流に乗って全身を巡り、心臓病や糖尿病、肺炎などの疾患を引き起こすリスクが高まります。また、歯を失うと食べ物を十分に噛めなくなり、消化不良や栄養不足を招くケースも考えられるのです。
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無駄に時間やお金を使うことになる
歯の状態が悪化すると、治療は複雑になり、時間と費用が大幅に増加します。なぜなら進行したむし歯の治療には多くの通院回数が必要で、根管治療や補綴治療など高度な処置が求められるからです。
予防を行うメリット
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歯をきれいに保てる
毎日の歯磨きだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことは困難です。特に歯と歯ぐきの境目や奥歯の溝など、ブラシが届きにくい部分には汚れが残りやすく、口臭やむし歯、歯周病の原因となります。定期的なプロのクリーニングを受けていただければ、これらの汚れを徹底的に除去し、歯の健康と美しさを長く保てます。
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長く自分の歯を残していける
日本では、高齢になると歯を失う人が多い傾向にあります。一方、欧米諸国では予防歯科への意識が高く、定期的なケアによって歯の残存率が高いのが特徴です。予防歯科を継続的に受けることで、むし歯や歯周病を早期に発見・治療し、生涯にわたって自分の歯を維持できる可能性が高まります。
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むし歯・歯周病を防げる
むし歯と歯周病は、多くの日本人が抱える歯科疾患です。セルフケアだけでは取り除けない歯垢や歯石が蓄積すると、これらの病気のリスクが高まります。定期的なプロのケアを受けることで、歯垢や歯石を徹底的に除去し、高濃度のフッ素で歯質を強化。むし歯菌や歯周病菌の活動を抑制し、口腔内の健康を維持できます。
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早めにむし歯・歯周病を見つけられる
むし歯や歯周病は初期段階では自覚症状が乏しく、患者様ご自身では気づきにくい傾向にあります。そのため、定期的な歯科検診を受けていただければ、これらの疾患を早期に発見することが可能です。早期発見・早期治療によって、治療の負担を軽減し、痛みやストレスを最小限に抑えられます。
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全身の健康に影響が及ぶのを阻止できる
予防歯科は、口腔内の細菌の増殖を抑え、全身の健康維持にもつながる重要な役割を果たします。特に歯周病は、糖尿病や心臓疾患、骨粗しょう症、早産・低体重児出産などのリスクを増大させることが知られています。口腔内を清潔に保ち続ければ、全身疾患の発症リスクを最小限に抑えられるのです。
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経済的な負担も抑えられる
予防歯科には、定期的な検診とクリーニングの費用がかかります。一見、むし歯や歯周病の治療より割高に感じるかもしれません。
しかし、一度むし歯や歯周病が進行してしまえば、大がかりな治療が必要です。このような事態を避けるためにも、予防歯科を活用しましょう。定期的なメンテナンスで、むし歯や歯周病を未然に防げば、医療費を大幅に抑えられます。
大人のむし歯予防・ケア
生活習慣の見直し

むし歯は一朝一夕にできるものではなく、日々の生活習慣の積み重ねが原因です。例えば、就寝前の歯磨き忘れ、甘いものの頻繁な摂取、歯間ブラシの不使用など、些細な習慣の積み重ねがむし歯のリスクを高めているのです。そのため当院では、患者様のライフスタイルに合わせて、仕事、家族構成、趣味、食生活などを考慮した現実的な改善策をご提案します。無理のない小さな変化を積み重ねることが、むし歯予防への第一歩となります。
SPT

歯周病は非常に再発しやすい病気です。せっかく治療で改善しても、セルフケアを怠れば再び悪化してしまいます。そこで重要なのがSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)です。これは、歯周病が落ち着いた状態を長期的に維持するための継続的なケアを指します。歯科衛生士による専門的な歯のクリーニングが中心です。歯と歯ぐきの境目の歯垢・歯石除去、歯周ポケット内の洗浄を行っていきます。
歯周病重症化予防

近年、歯周病治療に「歯周病重症化予防」という新しい概念が登場しました。従来の歯周病治療は、症状が悪化してから対処する”対症療法”でしたが、重症化予防は症状が安定している段階で先回りして治療を行うのが特徴です。2018年に保険適用となり、多くの患者様にメリットをもたらしています。具体的な処置としては、1~2ヶ月ごとに歯周組織の状態をチェックし、歯科医師による咬合調整、歯科衛生士による歯石除去やポケット内洗浄などを行います。こうした継続的なケアにより、歯周病の進行を食い止め、再発や重症化を防ぐことができるのです。
PMTC

PMTCは歯科専用の治療器具と研磨剤を使用し、歯を隅々まで磨き上げる処置のことです。歯に付着した汚れや細菌を徹底的に取り除けるので、お口の中がサッパリとします。
また、PMTCの後は汚れや細菌が歯に付着しにくくなるので、確かな予防効果が期待できます。
- 治療期間
- 1日
- 治療回数
- 1回
- 注意点・リスク
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- PMTCは自費診療のため、保険が適用できません。
- お口の汚れが全体的にある場合、クリーニングするのに時間がかかる場合があります。
スケーリング

スケーラーと呼ばれる器具を利用して、お口の中の歯垢や歯石を除去する処置です。
細菌の塊である歯垢が歯石になると、ブラッシングではほぼ取り除くことができません。そのため3か月に1度はスケーリングを受けるようにしましょう。
ブラッシング指導

間違った歯磨きを続けていると、どんなに頑張っても、磨き残しが増えてしまい、むし歯や歯周病の原因になります。
そこで当院では、歯磨き指導を積極的に行うことで患者様のセルフケアの精度を高めています。
当院の歯科衛生士がわかりやすくアドバイスしますので、歯磨きに関するお悩みがあればお気軽にご相談ください。
フッ素塗布

フッ素には歯質を強化する有効成分が含まれており、虫歯を予防する効果が期待できます。乳歯の歯質は永久歯に比べて安定しておらず、虫歯になりやすく進行も非常に早いといわれております。定期的なフッ素塗布に取り組み、虫歯から乳歯を守りましょう。
フッ素の活用

むし歯予防に欠かせないのがフッ素です。フッ素は歯の表面に作用し、酸に強いエナメル質を作り出します。また、むし歯の原因となる細菌の活動も抑制します。フッ素の活用は、歯科医院での塗布だけではありません。フッ素入り歯磨き粉のも効果的に使用しましょう。歯磨き中はもちろん、歯磨き後も口の中に残ったフッ素が唾液に溶け出し、歯を守り続けてくれます。
フッ素洗口液でのうがいも効果的です。洗口液に含まれる低濃度のフッ素が歯の隅々にまで行き渡り、むし歯リスクを下げてくれるのです。